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WE'LL NEVER TURN BACK / Mavis Staples

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1.Down In Mississippi
2.Eyes On The Prize
3.We Shall Not Be Moved
4.In The Mississippi River
5.On My Way
6.This Little Light
7.99 And 1/2
8.My Own Eyes
9.Turn Me Around
10.We'Ll Never Turn Back
11.I'Ll Be Rested
12.Jesus Is On The Main Line


★★★★★★★★★★

50年代から70年代という、黒人にとって激動の時代を歌によって表現し続けてきたファミリーゴスペルグループ・STAPLE SINGERS。そのリードシンガーであるMAVIS STAPLESがプロデューサーにブエナ・ビスタ・ソシアルクラブなどで知られるRY COODER(ローリングストーン誌の「歴史上最も偉大なギタリスト」で8位)を招き、2007年8月22日に発売したアルバム。

STAPLE SINGERSとしての活動歴から予想出来る通り、このアルバム発表時のMAVIS STAPLESは実に68歳。その彼女が本作では一部の新曲を除き伝統的なゴスペル、ソウルソングを00年代に甦らせた。生まれ変わらせたのではなく、再び甦らせた。これは即ち、激動の時代を音楽を通じて渦中で過ごしてきた彼女が、なお現代にその再提起の必要を感じているという事だ。歌詞など聴かずとも、いや、予備知識無しに歌詞を額面通りに受け取って何となく楽しむだけでもその肉体的なソウル感(これはそこらのHIPHOPが好む「黒さ」なんて言葉の遥か上を行く)に大満足出来るのだが、そのほとんどが公民権運動に際して歌われた曲である事を理解して臨めば、その感じる「肉体」には多数の血の跡や傷が感じられることだろう。

68歳を迎えてなお現代に再び叫んだMAVIS STAPLESのその声は、声量という意味ではベストではなく、息切れしているような箇所もあったりする。しかし、汗と埃にまみれ手にしてきた自由を得たあの時代と同じ歌をこの現代に再び解き放った彼女の声は、技術の領域を超えてソウルだ。時代を超えて獲得してきたその全てを詰めたこれこそが、ゴスペルから分化し成長してきたブラックミュージックが360度回って辿り着いた絶対的な境地だと、ブログ一発目の記事から反論を恐れずそう断言できる傑作である。

なお,"I'm on my way to freedom land"と歌われる「On My Way」にはセパレイティズムやアフリカ回帰運動の匂いが感じられ、これはMAVISが敬愛するマーティン・ルーサー・キング牧師の融和政策とは真逆の主張である。であるとすれば"Black and white together We shall not be moved"と歌う「We Shall Not Be Moved」は正にキング牧師の主張と一致していた曲なのであるが、かと思えば他の多数の曲でSNCCフリーダムシンガーズの面々がコーラス参加している。SNCCとは公民権運動時に活躍した学生組織・Student Nonviolent Cordinating Comitteeであり、差別撤廃に向けて多大な貢献をした組織なのであるが、実はこの組織は融和どころかリベラルな白人が組織に参加するのを断固として拒否してきた。その頑なぶりは、ブラックパンサー(一般的にはラディカルなイメージばかりが先行しているが、実際は白人の参加や白人弁護士チャールズ・ギャリーなどの起用も厭わず、人種ではなく思想で組織形成を行った)の情報相・エルドリッジ・クリーヴァーがSNCC議長・ストークリー・カーマイケルに対して「白人恐怖症」と批判するほどであった。この点でも本作に収められた曲の主張の方向は一つには向いていない。それが悪いのではなく、これはMAVIS本人の主義主張ではなく、黒人全体が持つべき主義主張の総体系化を目指したアルバムであったという事だ。あの頃にあった全てをこの社会にもう一度置いた彼女の行為は、そのまま全てを飲み込み社会に訴えかける音楽の力を示すものと言える。メッセージアルバムとしても、純粋なミュージックアルバムとしても、この作品は00年代のブラックミュージックの代表作として輝く。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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